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インドネシアの国営銀行Bank Rakyat Indonesia (BRI) は、資産規模でインドネシア最大の国立銀行であり、世界最大のマイクロファイナンス機関です。1895年に設立され、マイクロバンキングに重点を置き、インドネシア全土の中小企業や個人を対象に金融サービスを提供しています。9,000の支店と、地方や遠隔地に点在する50万以上の「支店を持たない」エージェントのネットワークを有し、顧客は1億人を超えています。
中小・零細事業に向けた 短期ローン
BRIの主な業務は、インドネシアの小規模事業者にマイクロファイナンスの融資を行うことです。来シーズンの作物の種を買う余裕のない農家、より多くの漁獲量を上げるために破れた網を交換する必要がある漁師、事業を始めたばかりで担保資産を持たずに資本を拡大したいマイクロセグメントの起業家など、さまざまな人々が対象です。
マイクロファイナンスがなければ、このような低所得の企業や個人は金融サービスを受けることができず、倫理的に問題のある金融業者に頼らざるを得なかったでしょう。テクノロジーはこうした金融サービスに革命をもたらし、遠隔地にいる銀行口座を持たない人々にも銀行がサービスを提供できるようになり、世界中で競争が激化しています。
BRIは2016年にDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進を始め、ある程度の基本的なデジタル機能の提供を確立していましたが、2020年にパンデミックが起きたとき、さらに素早い対応が必要であることを認識しました。
BRIのミドルウェアプラットフォーム開発担当シニアマネージャーであるランディ・デスモンド氏は、次のように述べています。 「パンデミックの時期でも、当行のビジネスは止まりませんでした。利益は減少しましたが、私たちはそれを、DXを加速させるための触媒と捉えました。そのため、今年はさらに高く飛ぶために立ち直る準備ができたと、楽観的に見ています」
マイクロファイナンス市場では新規参入が相次いでおり、市場投入までのスピードが最重要課題でした。しかし、BRIは、フロントエンドからコアバンキングまで、さまざまなミドルウェアプラットフォームを長年にわたって利用し、モノリシックなアーキテクチャを構築していました。
また、30以上のモバイルおよびウェブチャネル、20以上のミドルウェアプラットフォーム、30のバックエンドシステム、100以上のサードパーティサービスからなる数百のシステムがあり、これらを統合し簡素化する必要がありました。BRIは、限られた機能と性能しか持たないテクノロジーに阻まれ、新しいデジタルバンキングのイニシアチブをサポートすることができない状況でした。
BRIの成長目標は高く、2025年までに東南アジアで最も価値のある銀行グループとなり、金融包摂のチャンピオンになることを目標としています。このビジョンを達成するためのBRIの戦略は、より小さく(Smaller)、より短く(Shorter)、より速く(Swifter)、の「3つのS戦略」です。短期間に迅速な承認で、「地方や遠隔地」も含めた少額売上や低所得の顧客に対しても、超マイクロファイナンスを拡大することでした。
しかし、月次、あるいは日次の融資は、期間が短いほど利幅が小さくなるため、BRIは取引からコストを絞り込む必要がありました。その答えは、支店を増やさずにコストだけにすることでした。デジタルでローンを提供し、処理することで、BRIはリーチを広げ、より早くローンを完了させ、なおかつ財務的に問題なく推進することに成功しました。
3年前は、顧客の申し込みから融資完了まで、平均2週間かかっていました。現在では2日で完了、いま用意しているプロトタイトでは、ほぼ瞬時の5分にまで短縮します。
BRIは、既存技術の寄せ集めを合理化し、オムニチャネル統合とマイクロサービス・アーキテクチャに対応した単一の統合プラットフォームに移行する必要がありました。そのために、デズモンド氏は、大規模なテクノロジー企業と提携することを決め、Software AGだけでなく、その他の競合他社にもアプローチしたと述べています。
Software AGの webMethods は、わずか2週間で要件を100%満たす概念実証(PoC)を構築し、圧倒的な勝利を収めました。競合他社は3週間以上を要し、すべての要件を満たすことはできませんでした。
また、パフォーマンスに関するPoCでは、webMethodsはBRIの予想をはるかに上回るトランザクション量を処理し、競合他社の2倍のトランザクション量(1,500件/秒 対 750件未満/秒)を処理することができました。webMethodsはBRIに対して、競合他社よりも市場投入までの時間が短く、パフォーマンスがはるかに優れていることを証明しました。
BRIは2018年後半にwebMethods Integrationを導入し、2019年に本稼働を開始しました。同行の次のステップとしては、マイクロサービスとDevOpsへの移行、さらに顧客向けの新サービスの追加などが挙げられます。
2019年の開始以来、新しいミドルウェアシステムは、2020年に既存の4,500万件から2021年には66倍の30億件に増加する大規模な年間取引増加を目指し、500超のAPIがシステムで稼働しています。
インドネシアは国土が広く、その多くは農村部や遠隔地にあり、支店網のインフラはありません。ここでは、支店を持たないエージェントが超ローカルな銀行の代理店として、地域社会にサービスを提供し、地域経済への金融クッションの役割を担っています。
各エージェントは地元の店舗に「オフィス」を構え、BRILinkと呼ばれる技術を使って、日々のバンキング&決済サービスからローン申請までを代行しています。多くの遠隔地にはインターネット機能がないため、銀行は衛星サービスを利用して接続を提供しています。
webMethodsのおかげで、BRIはモバイルバンキングの顧客と遠隔地のハイパーローカルエージェントネットワークにオムニチャネル機能と豊富な機能を提供し、より迅速なサービスでインドネシア全土をカバーできるようになりました。
デズモンド氏はこう述べています。「従来のビジネスのやり方のままではダメです。デジタル化しなければならないのです」
Software AGとwebMethodsのおかげで、顧客ベースは拡大し、取引も増え、BRIは素晴らしい成長目標の達成に向かっています。