Kiabi 社
            

Kiabi 社の成功は、先見性のあるデジタル変革に基づいています。テクノロジーの進歩が加速し、Web ベースのスタートアップや、新たな接続性を得て力をつけた消費者が加わって競争が激化した結果、市場は混乱している状況です。そんな中、Kiabi 社は、シームレスで魅力的なオムニチャネルのカスタマーエクスペリエンスを提供できれば、戦略上有利になると考えました。

その鍵はつながりの強化、つまりデバイス、アプリケーション、ネットワーク、コンテンツ、チャネル、インタラクションの連携です。このビジョンの実行は非常に困難でした。Kiabi 社は年間 9% 程度の着実な成長を遂げていたからです。新規顧客の多くはミレニアル世代でした。これまでの顧客層とは異なり、絶えずオンラインでつながり、コミュニケーションをとる若者達です。Kiabi 社のレガシーシステムは業務に追いつかず、Web サイトは遅く、データに多数のエラーが発生していました。同社は、計画していたオムニチャネルビジネスへの転換を図るために、同社のビジネス機能に合わせて早急に IT を調整する必要がありました。

最初の統合で心をつかむ

Kiabi 社は Software AG の ARIS と webMethods により、プロセスを可視化して再構築し、顧客とのコンタクトがスピードアップして拡張した様子を目の当たりにした瞬間から、自社のビジョンの実現に最適なパートナーを選択したことがわかりました。独立したソリューションにより、サービス指向、イベント駆動に転換することができ、また柔軟性を高め、ダウンタイムや妥協を伴わずにシステムに変更を加えることができます。

緊急の課題は、データ量の 40% 増加と Web サイトの遅さに対処することでした。2012 年、Kiabi 社は Software AG のインメモリデータソリューションを実装しました。データベースを従来のハードドライブサーバではなくメモリにロードしておくことで、Web ページのロード時間を 3.6 秒から 1.2 秒へと 300% 改善しました。このソリューションは数か月で導入され、収益に即座に影響が表れました。遅さに不満を抱きがちなデジタルネイティブの顧客が、オンラインショッピングカートを放棄することがなくなったからです。さらに、単一の統合プラットフォームを介してリテールチャネル体験すべてをリンクさせることで、Kiabi 社のオンラインの収益は年間 1 億 3,000 万ユーロへと急増しました。

オムニチャネルで求められる全方向性

Kiabi 社は、2 年後にオムニチャネルリテールに完全移行するための次の一歩を踏み出しました。これを実現することは、すべてのプロセスをデジタル化し、ミレニアル世代の顧客の行動に対応できる十分なアジリティを備えたシステムを構築するということです。

つまり、従来の顧客に比べて、流行を追いかけ、利便性と価格に基づいて購入の意思決定を行う顧客をターゲットにするということなのです。パーソナライズと、モバイルで価格および在庫をリアルタイムで比較できることが重要でした。

「ARIS と webMethods は、当社が e コマース事業に必要な変化を推進し、より大きな価値をお客様に提供し、お客様の将来のニーズに合わせて対応できる力を与えてくれました。このプロジェクトはわずか数日で稼動し、思いどおりに進めることができました」

Kiabi 社は、アプリケーションの統合と接続、および機能の追加が即座にできるエンドツーエンドのチェーンを必要としていました。また、製品をより迅速に市場に投入する必要もありました。

統合レイヤとして機能する webMethods Integration と webMethods API Management により、データフローやポイントツーポイント接続を開発することなく、データを保存、編集、分散するさまざまなシステムの相互通信が可能になります。また、インメモリデータ管理のおかげで、これまでにない速さが実現します。

「webMethods API のシンプルさとスピードのおかげで、小売店のスタッフが携帯端末で在庫を確認するためのアプリを素早く構築できました。その結果、できるだけ在庫を持たない運用の仕組みが一変しました」。

Kiabi 社は API Management を使用することで、従来の 2 倍の速さで内部アプリケーションを組立ておよび更新できました。

Kiabi 社外との関係にもメリットがありました。サプライヤなどの B2B パートナーは、同社が共有対象として指定したデータにプライベート API キーによってシームレスかつ安全にアクセスできるようになったため、以前は最大 4 か月かかっていた新しい B2B 接続のセットアップがわずか 1 週間で可能になりました。

そのわずか 1 年後に、Kiabi 社がビジネスプロセス分析 (BPA) のために ARIS を導入したのも不思議ではありません。同社は、プロセスのアジリティを高め、実装時間を短縮し、プロセス効率を向上させる必要がありましたが、ARIS はそれに最適なソリューションでした。

IT プロジェクトマネージャにとって信じられないことでしたが、ARIS BPA を使用して顧客、製品、プロセス、サプライヤの全体像を共有することで、プロジェクトの半年のリードタイムが 3 週間短縮されました。IT 部門とビジネス部門は成功への道のりを歩み始めたのです。Kiabi 社の CIO はヒーローでした。しかし、CIO にとって、この決断は簡単なものではありませんでした。「競合製品とは異なり、Software AG のソリューションは Kiabi 社の 5 つの要件すべてを満たした唯一のソリューションでした。その要件とは、ビジネスと IT の変革、インメモリデータ、統合、プロセス、分析と意思決定です。その結果、最初から不整合のリスクが排除され、サポートが大幅に簡素化されました」。

Kiabi 社は現在、内部的にも外部的にも、かつてないアジリティを備えています。「2017 Great Place to Work（働きやすい企業ランキング）」では 3 位となり、4 年連続でランクインしています。

Software AG の独立したソリューションは無限の可能性を提供します。Kiabi 社のお客様は大いに満足しています。本来そうあるべきですが、Kiabi 社の関心の中心はお客様です。