コマツ 社は、一世紀前の1921年に日本の鉱山地域で設立され、現在では世界最大のユーティリティ(小型機械)、建設機械、鉱山機械のサプライヤーの一社です。6万人以上の従業員を擁し、世界中に拠点があります。1965年にコマツ オーストラリアを子会社化し、現在ではオセアニア地域で3,400人超の従業員を擁しています。
さかのぼること2014年、コマツオーストラリアは活況を呈していました。機器の販売、再製造、メンテナンス、アフターマーケット、ファイナンスなど、その広範かつ多様なビジネスモデルは、飛躍的な成長を遂げていました。成長に伴う問題がありましたが、それは嬉しい悩みと言えました。
しかし一方で、亀裂が生じつつありました。レガシーERPシステムで構築された同社の複雑なビジネスオペレーションは、CSVファイルをバッチ処理することしかできず、リアルタイムデータやプッシュ型データへのアクセスが不可能だったのです。インフラが目的に合わなくなり、IT部門はビジネスや顧客の要求への対応が難しくなっていました。
コマツオーストラリアは、第三者とデータを共有するために適切なミドルウェアが必要と考え、その機械製品と同様に、高い能力を証明しました。Software AGの webMethods は、Microsoft Dynamics®、Salesforce®、従来のAS400アプリケーションなどの重要なシステム間のつなぎ役として作用し、同社の統合プラットフォーム・アズ・ア・サービス(iPaaS)として採用されました。
また、webMethods Trading Networksを追加することで、コマツはオーストラリア全土の採掘パートナー企業からの部品発注を効率化しました。B2Bゲートウェイにより、同社は取引先の統合と管理、ビジネスプロセスの管理、関連文書のリンクが可能になりました。ここで重要なのは、同社がB2B取引における「唯一の真実の情報源」を手に入れたということです。
同社では任務が大幅に拡大したにもかかわらず、webMethodsの活用によって、チーム人員をまったく増やさずにこれを達成することができました。
今日の顧客は、シームレスなデジタル体験を求めています。また、エコシステムの台頭により、同社のデジタル戦略に刷新が必要であることは明らかでした。「目標はデータドリブンなビジネスへの変革でした」と統合ソリューションアーキテクトのケビン・リー氏は述べています。「これは、私たちにとって、より高度な技術の必要性、たとえば収益を予測するための API の提供、そして必要性を訴える BI チームへのリアルタイムのデータ供給機能の必要性につながっていました」とも述べています。
そのためには、クラウド上のアプリケーションを管理するための強力なハイブリッド統合プラットフォームが必要でした。そこで、いくつかの選択肢を検討したところ、Software AGのwebMethods.ioは、クラウド上のアプリケーションを統合するための導入が容易なiPaaSであるとわかりました。Eclipse™の直感的なカスタマイズ(他のベンダーと比較して)と強力なワークフローを備えていたからです。また、webMethodsには、Software AGのプロフェッショナルサービスも付属しており、アーキテクチャ評価によってリスクを軽減することができました。
webMethodsを導入したことで、コマツのチームは「山を動かす」ようになり、そのスピードも短縮されました。開発スピードは30%向上しました。また、1つのファイルソースを新しいアーキテクチャに統合するのに、以前は5日必要だったのが、わずか1日に短縮されました。
webMethodsの直感的なインタフェースとセルフサービスの統合により、同社のチームは独自のツールを構築しています。同社の新しいクラウド環境は、多くのロジック・アプリによってサポートされていますが、webMethods.io は、そこでも独自の役割を果たしています。Software AGのアプリを使用すると、一通のメールによって、専門知識を必要としないアラート付きの自動ワークフローを起動することができます。これにより、従業員は「シチズンデベロッパー」に引き上げられ、膨大なビジネスロジック・アプリの必要性を減らすことができます。
その他の革新的な技術として、近々顧客サービス・ポータルを通して、顧客が業務や調達、計画、購入履歴等の関連記録にアクセスできるようになる予定です。このポータルは、バックエンドの信用調査、ERPの注文履歴、配送センターのデータを蓄積し、顧客のデジタル フットプリントをリアルタイムに可視化します。このイノベーションは、API管理にwebMethodsを活用して展開されます。
一方、1年以内にオンプレミスのインタフェースの70%をwebMethods.ioプラットフォームに移行する作業も進められています。新しいインタフェースの構築ペースを考えると、この目標は非常に現実的であると思われます。
このwebMethodsによる統合で、Software AGのプロフェッショナルサービスや、熱心な営業担当者とカスタマサクセスマネージャーの存在もあり、コマツオーストラリアは最高の手ごたえを感じています。「Software AGは、既存の契約内外のあらゆる要件に対して、積極的にサポートしてくれます」と、リー氏は述べています。そして、同社が機械知能(マシン・インテリジェンス)の方向へ進んでいるため、Software AGの別製品Cumulocity IoTのデモも要請されています。
「このプロジェクトは、純粋に社内のITリーダーのためのものだと思われています。しかし、Software AGの技術が、コマツ社内での私たちの知名度を上げるのに果たした役割は否定できません。Software AGは、オープンで、独立したソフトウェアを持っており、内外とシームレスに連携することができます。今後も期待しています。」と、リー氏は述べています。